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[C16]

書いているときはそんなでもなかったんですが、読み直すと鳥肌が立つほど恐いホラー小説ですね。
ほんとに書いてる時はちょっと怖いくらいの作品っていうモチベーションで書いていたんですけど、、
  • 2016-04-14 20:05
  • 明後日の狩人
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【文化祭発表原稿】ドアをくぐって

今回は短編です。今回もちゃんと分裂します。五分後の世界と五分前の世界でお互いに会話する話になります。
ではまたわたわたとは別に話になりますが、コメントなどお待ちしております。
ではどうぞ、



 ドアが在った、ドアに接する床はドアの向こうの光を浴びながら、私に近づくにつれ、色を失う。その黒い床は私の靴に闇をまとわりつかせ、私の進みを遅くしていた。足を進め、その扉にたどり着くドアを開き中に入った。
 途端に足場の無いそこから落ち流れる空気を感じつつ、自分が落ちていくことを感じていた。長い時間、自由落下と肌に刺さる空気を感じ、地面にぶつかると身構えた時。
 私は自分の夢から覚めた。
「なんだ、夢か」
と、落ち着きだし、今の自分の状況を確認し始めた。
「体に傷は無いし、頭も少しボーとするけど大丈夫。特に何も無い」
「ふぁーー」
と手を後ろにそらしつつあくびをし、もう少し寝ようとしたとき。
 夢から覚めるときの感覚が私の頭の中にあった。
「へっ、私起きてるよね。」
そして、
(なんだ、夢か)
「へーー、声が聞こえたよ、何、何なの??」
(えっ、誰)
私は混乱した、いきなり頭の中で声が聞こえたし、その人が体を動かし、口で話す感覚が私にも伝わってきたから、、
 直感的に違和感を感じて、私はその人に(時計を見て)と念じた。
へっ、なんでという戸惑いと混乱の混じった念に(いいから早く)と返す。
その人が近くにあった目覚まし時計を確認し、私も同じように目覚まし時計を見る。
その人の見ている時計と、私の時計では私の方が五分時間が進んでいた。秒針が全く同じように同じ角度でチクタクと音を立てていた。
「私の方が五分進んでるということは、あなたは五分前の私ということね。」
同じように念が帰ってきた。
(あなたは五分後の私、なの?)
私と五分前の私が同時に思い立ち、テレビを点ける、五分待ってみると私にとってさっき見たはずの映像が彼女の思考から流れ込んできた。
「たぶん、私の世界で起きていることが、五分後にあなたの世界で起こる。」
(そういうことだね、なんでそうなったかはわかんないけど)
 いつもと同じ部屋の風景も現在と五分前の景色が混ざると、いつもと違った印象を受ける。風の音や窓が軋む音がきっかり五分後にもう一度聞こえてくる。
 部屋の感じ方の違いで怖くなってくる。
(何でこんなことになってるんだろ)と念を送ると
(さあね、でも、全く同じことが二回起こるって、そんなことってあるの?)
と帰ってきた。
この世界もしくはあっちの世界に私たちが干渉していけば、お互いの世界の出来事が変わり始め、世界のズレになっていくのか。そもそも、五分先にいる自分と会話ができるというだけで何かが変わってくるのかと。


 とりあえず、準備をして学校に行かないといけない。私と同じように支度をする彼女も同じように急いでいる。ただ私には彼女より五分遅刻への時間が短い。そのために彼女にはセーフの時間の配分でも私にとってはギリギリアウトになる可能性が高い、朝からなんだかわからない事態になっているのに、そのうえ遅刻をしたなどとなれば、親に何を言われるかわからない。急いで支度を済ませ、部屋から出る。階段を降りつつ腕時計を見ると、時間が巻き戻っていた。
「えっ、なんで」
(そっちはどう)と聞くと
(安心してたのに、なんで進んでるの??)と足早に走った。
 玄関を出て再び時計を見ると、また時計が進んでいた
「えーー、なんでまた戻ってんのー」
走りながら考えた結果、部屋を出た時も玄関を出た時も、ドアをくぐっているという共通点に気付いた、
(そういうことなのかな?)
という念に(さあ?どうなんだろ)と
とにかく、遅刻にならないように、がむしゃらに走っていた。

 私たち二人の共通点は、お互いにほぼ同じ世界に暮らしていて、一方は片方の未来の、もう一方は片方の過去の時間を生きているということだった。それ以外は特にお互い違いも無く、友達も先生も道行く人もニュースに出てる人も五分間進んでるか遅れているかの違いだった。また、何かの扉をくぐっただけで、お互いの体に強制的に入れ替わり、待ち時間が逆転したり、五分待ったのにさらに五分待たされるということもザラにあるのだった。


「なんでこっちばっかり。待たされたり、自転車に突き飛ばされるのも二回になったし」
「なに、私だってトイレで入れ替わったのはバカかよってなったよ。それはお互い様。」
お互いに意思を疎通し、率直な意見を言い合う。


 つまり、頭の中にいる私は自分より五分ずれた時間の私であって、生い立ちも家族も頭の中の知識も私と大して変わらない、彼女がいれば私はいてもいなくても同じだ。なぜならその頭の中の人物は私と同じなのだから。そう考えると無性に腹が立ってくる。


「ほい、これ落とし物」と言って拾われたのは私の消しゴムだった。
 だが拾ってくれた人物は、気になっている先輩だった。
(はわー、拾われちゃったよ消しゴムー)
少し頬を染め、自分のあたふたした態度を気取られないように気をつける。
 学校の窓からは、オレンジの夕日が差し込んでいる。
「あの、先輩、先輩の家って近くなんですか?」
先輩は少し戸惑い、
「俺の家は、商店街の本屋さんを通った先のラーメン屋の先だよ。」
私は、「よかったです。ちょうど本屋さんまで用事があって、、一緒にいってもいいですか?」
「俺は用事無いから、行かないけどいいよ、着いてくるくらいなら。」
そしてその後、頭の中で再生されるもうひとりの私と先輩の会話を遠目から聞いていた。


 商店街の喧騒を聞きながら先輩と二人で歩く。少しうつむき気味に下を見ながら歩く、スピードを合わせるために速く歩く。胸がドキドキして体が熱い。
「ねぇ、先輩っ」
先輩はびっくりして、
「なんだよ、急に!」
「あの、先輩、実は、私、先輩とずっと一緒にいたいなって」
「え、ああ、うん、」
あぁ、やっちゃった、ぃ言っちゃったぁ。
「俺、今いろいろ忙しいから、お前に構ってなんかいられないんだけど。」
「へっ、わぁ、ああ、ごめんね、私から勝手にこんなこと言っちゃって。」
玉砕、という二文字が頭の中で踊っている。なんてことおーー
「別に俺、お前の事、嫌いじゃないけど」
じゃあな と言い先輩は本屋の前に私を置いていき一人で行ってしまった。
 本屋の自動ドアをくぐると意識がもう一つの体に移動していた。
「じゃあな」
といい去っていく先輩に
「ちょっとまって」
と言った。
「もうちょっと、一緒にいたいなって。」
「いや、俺は帰る。じゃあな」
結局、とぼとぼと本屋の中に入っていった。ふらふらとお気に入りの棚に行き、今読んでいるシリーズの最新刊を立ち読みする。


 気が付くと、店の外は夜になりお腹が空くのも忘れて本を読んでいたのかとびっくりした。
「もう、夜か」
母さんに帰ると連絡を入れ、ふと置いてある新刊の山を見る。本を見ていると改めて当たって砕けた現実を思い出した。
「明日はがんばるからね!」
と捨て台詞を残し、本屋を去っていった。


ごはんを食べ、ベットの上に脱ぎ散らかされた靴下を見る。少し横になり、恋に玉砕したダメージを僧侶の能力で回復していく。不意に頭の中で声が響いた。
「で、結局どうなの?」
それは、先に進んだダメージから回復した自分からの言葉だった。
「順調、順調、何も問題ないよ、玉砕した以外。」
「ってそれ、十分ダメージ受けてるし」
私は五分進んだ時間の私に先にダメージを回復したアドバンテージで攻められ、たじたじに答えていった。
「あんたも同じじゃん」
「なっ、私の先輩、悪く言うな!」
「わたしの先輩です~」
 どちらも先輩との会話に失敗して玉砕しているのに、現実を鵜呑みにできずお互いに言い合いをして、不安をぬぐおうとしていた。冷静になれば些細な違いからの争いにムキになっているだけなのだが、冷静になろうにも常に頭の中でお互いの意識が分かるのであれば頭を冷やす時間もない。
 とりあえず今日は寝ようとベットにくるまり意識を手放す。


 翌朝起きると、昨日の意味の無い闘争と混沌の果てに不仲になった未来もしくは過去の自分自身と意識を向い合わせ、どちらも折り合いが悪くなったがゆえに話しづらい雰囲気をお互いに出していた。
 ふいに
「とにかく、昨日の事は謝る。」
と明らかにこの自分の若さゆえの強情さを、さらけ出すのはお互いのためによくないと悟り素直に謝った。
「こっちこそ、ごめん」

「とりあえず、やっぱわたし悪かったし」
「そだね、熱くなりすぎた。」
今日も、先輩と顔を遭わせることになるのが気まずくて、朝ごはんも道を歩くスピードもゆっくりになってしまった。
 その結果、学校に付くのが遅刻ギリギリになり、教室の自分の机に着くころには心神耗弱の状態だった。
「なあぁー、ナイーブな私にはつらい。」
「えーどうしたの。」
隣の席の友達が心配して話しかけてきてくれた。
「あんまり言いたくない。」
「悪いことあったの?」
「・・・・」
「その感じは、恋愛がらみってやつ」
「うっ」
「図星かー、まっ何にしても気負いすぎないことだね。あんたの好きな先輩も、あんたの事たまには見てんだから、いつも笑顔に~」
うう、図星なうえに痛いとこを、でも言われてから自分が好きなのはそれとして先輩の立場に立って先輩と話していたかというと、疑問が残る。
 わたしが先輩好きな気持ちは先輩には伝わんないからねーと小声で呟き、机の冷たさに頬を埋める。


 退屈な授業を右から左へ聞き流し、教室の外を窓から眺めつつどうでもいいことをぼやっと考えていた。昼食はコンビニのお弁当を屋上で食べ青空の下の人の声のしない静かな場所で食べた。
「こんなとこで食ってんのか!」
えっ、だれ、何でこんな所いんの、と驚き周りを確認する。ドアの方を見ると先輩が立っていた。
「えっ、先輩こんなとこに何しに来たんです。」
「昨日の事、俺も突っぱねて悪かった、と思って来たんだよ。」
「そんな、別にかまわないです。わたしの事なんか~」
私は口に笑みを浮かべ、その場を取り繕った。
「昨日は気が立ってたんだ、やっぱりあんたに悪いように受け止められたのなら、あんたに謝る。」
勇気を出して言った。
「わたしと、ずっと一緒にいてください!」
「あ、そんなに俺は良い人じゃないよ。」
「でも、先輩と一緒に居たいです。私。」
「今日は、」
「へっ」
「今日は俺はあんたと本屋に行っても、構わないけど。」
「・・・」
「一つ言ってもいいかな、僕には人を大事にできる自信は無い、君の事も何も知らないし、君のことを好きになれるかどうかも分からない、それでも君は良いのかい。」
「、ぁ、はい。私は」
「いいよ、それだけ聞けただけで、僕の質問はそれだけだから」


 教室の椅子に座り、ぼーっとどこかを見つめている。
「で、違う時間のあんたは、どうなのそこん所」
「よかったよかった、じゃないの」
「この、五分前五分後の私たちがどうやったら戻るかって。」
「基本的に、五分先の事は予知できるわけだし。」
「それってあんただけ!」


 夕方、先輩と本屋さんに向かい扉をくぐると、私は向こうの世界に飛んだ。なぜこんなことが起こるのかは分からないけど、二回チャンスがあったのは、自分にとって大きな大事なことだったと思う。向こうの先輩とも仲良くできるかな?
 そう思いながら、先輩の隣で本をめくっていく。




あとがき
文化祭に出す原稿です。

追記 正直、締切に追われあまり良い出来とはいえないのですが完成したので出しときます。後半の転から結への入り方が強引すぎるので良くない出来です。
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